どうして家具屋の社長が焼肉のタレを作ったのか?
河村社長は、福岡県で112年続いた家具店の社長でした。(2022.9閉店)
しかし、2013年に開発した「焼肉のたれ」が大ヒット!!
発売以降、人気を博した「河村社長の焼肉のたれ(後の河たれ)」はその後「みそ味」を発売し、「河ぽん」なるポン酢の発売にまで至りました。
河村社長の思い
家具は、人生の中で必要な道具であり、生活の必需品。
河村家具の創業は112年前。
今のように家具が使い捨てではなく、おばあちゃんの嫁入り共に家にやってきて、修理をしながら、大切に使ってきた時代。
先代から、人生の節目「入学」「結婚」「新築」「引越し」「転勤」と共に成長し、深く長いおつきあいをさせていただいてきました。
しかし、家具屋は、食品や日用品のように頻繁に足を運ぶお店ではありません。
そんな中で、そこでしか買えないモノをひとつでもいいから作りたい。
家族ぐるみでお付き合いのあるお客様が、もっと気軽に立ち寄れる、楽しいお店にしたい。
そんな思いから始まったのでした。
自分が幸せになれるものをお客様に
じゃあ何をつくるか…
まずは自分が一番こだわりのある、欲しいモノをつくろう!
それが「焼肉のたれ」だったのです。
社長自身、大好物の焼肉を家で食べる時に、いろんな市販のたれを買っては試し、買っては試してをしていました。
しかし本当に納得して美味しいと思える商品には残念ながら出会えません。
専門店で食べる焼肉には美味しいタレがたくさんあるのに…
特に焼肉の本場、韓国の人がやっているお店のたれは抜群に旨い。
何とかしてこれに近い味を出せないものかと、少しずつ社長自身によるタレの研究が始まったのでした。
「韓国の人は料理によく梨を使う。」
そんな話を聞いて、梨をまるごとすりおろして調合してみると、そこに新しい味の発見がありました。
それがきっかけで先ずは手づくりの「生だれ」が完成しました。
そのタレを使って家具店のスタッフたちと、焼肉パーティをすると、
とこれが大好評!!
一気に自信がついた社長は、その後いろんな人に配って試してもらいました。
特に社長のお手製のタレはただの「つけだれ」よりも予めお肉を漬け込む「漬け込みだれ」として「本当にお肉が柔らかくなった!!」「美味しい」との評判を呼び、たくさんのレシピが生まれました。
これが始まりでその後、本格的に大手醤油工場との折衝で2013年、念願の「河村社長の焼肉のたれ」がついに商品として完成したのです。
ご高齢の方からは
忙しいママさんからは
など嬉しいお声を頂いています。
そんなお子さまからご年配まで幅広く愛されてきた「河たれ」も発売から9年。
ここに来てその味に新たな展開を迎えます。
2022年「原点回帰」からのタレのリニューアル
『自分でつくった最初のたれにもう一度こだわりたい。』
より手づくりの「生だれ」に近づくために、山口県防府市の「桑田醤油」さんの力を借りて、主原料となる醤油そのものを思い切って替えてみました。
桑田醤油さんは昔ながらの製法でお醤油を作っています。
通称「木桶熟成」と言われるこの製法は、機械とタンクが主流となった今では、全国的にも僅か1%しか残っていないと言われる製法です。
杉の木で出来た木桶の中に住み着いた微生物が、何十年と時間をかけてその生態系を作り、そこでしか味わえない独特の風味や味わい醸し出していきます。
短時間で作り上げる人工的な醸造と違って、じっくりと時間をかけて作る「天然醸造・杉樽仕込み・天然水使用」による熟成法が桑田醤油さんのこだわりです。
その桑田醤油さんが作る木桶醤油のまろやかで深みのある味わいがそのまま今回の「新・河たれ」のマイルドな味わいとなっています。
「河たれ」の使い方
「河たれ」の使い方はとにかく多彩で、お肉なら牛・豚・鶏・羊とどれも相性が良く、お魚料理にも合います。
焼き魚にかけてもよし、マグロのユッケのたれにしてもよし、冷奴やアボカドのドレッシングとしても抜群です。また野菜炒めや焼うどん、チャーハンの味付けにも重宝します。
でも原点回帰というならやっぱり焼肉の際のお肉の「漬け込み」に使ってみてください。
予めお肉を20~30分ほど河たれに漬け込んでから焼くと、お肉が柔らかくなる上に染み込んだタレが、お肉本来の旨み甘みに上手に絡んで美味しく召し上がっていただけます。
家具屋は閉店を迎えましたが、お客様が笑顔になる時間を過ごすための研究は、これからもカワムラバンドや様々な事業展開として続いていきます。